藤本染工芸の思い出。
GREEをひっくり返していると、懐かしい写真を見つけた。
まあ、7年前の投稿だ。
石井かほり監督の映画、「めぐる」。
http://www.gulicreates.com/meguru/
その主人公、藤本先生の工房「藤本染工芸」に行ったときのことだった。
https://tokyoteshigoto.tokyo/studio/fujimotosenkougei/
この頃、着物を着ることすらできなかったというのに(笑)。
買っちゃったんですよね、陣羽織。
⇩
<再掲>
【着物のふるさとへ~「めぐる」が生まれた工房~】
着物は着る人に「張り」を求める。
体力、気力、きちんとした体。
そのいずれも人並み「超」以下の私はやや寂しい思いで反物や着物を繰っていた。
美しいけれど、私は着れない。
と。そこに、それが、いてくれた。
待っていてくれた。
1枚の陣羽織。
うすいうすい練絹の色にぽっ、ぽっと花が咲く。
軽く作ってあるその直線断ちは、羽織ると楽しいシルエットを作り出す。
裏地にまでも散る花びらの木版一枚一枚、全てが表情豊かに愛らしく。
ジーンズに、洋服に。合わせられる、これなら。
それでも一旦脱いだ。
で、まだ気になりだして羽織る。
皆さんお優しく、買え買えという雰囲気の全くない中、
ちら、と見るたび、いいですね、お似合いですね、と
お声をかけてくださる。
脱げなくなった。
何でも、東京の品評会での入賞作だそう・・・みたいな話をきいて余計に脱げなくなる。
あの、おいくらですか?
「・・・」
「0、一個少なくないですか?!」(いや私が無知なのかもしれませんが。)
売り手と買い手の間には契約が発生する。
この日、感謝、という契約が誕生し、私は世界に一つだけの花を手に入れた。
続きのもう一間ではなぜか宴会が始まっており、
着物とお酒と人とがくるくると、よい関係を結んでいた。
この祝福された世界は、ひとえに藤本さんによるものだ、と思う。
全く偉ぶらない。そして誰もいたずらに藤本さんをよいしょしない。
ただ、心からの尊敬と、信頼と、着物に対する愛情が満ちている。
そこから、生まれたのだ。
あの、「めぐる」も。
14時から5時過ぎるまですっかりとお邪魔してしまったが、
お暇する前に工房を見学させていただくことになったので、
そにかくまずは、うきうきと、げたさんに写真をとってもらった。
ジャポネでシックな女性が写っているかとおもいきや。
そこにいたのはチャンチャンコを着た
ワカメちゃん、ないし、ちびまるこちゃんだった。