何とも、色っぽい月だ。冬の空、朧な紗をしとねにしたかのようだ。こんな夜、こんな月の下、御噺は生まれるのだろう。
大寒に産み落とされたたまご。それはそれは、滋養にあふれて美味しいものなのだそうだ。何年か前、今は連絡が取れない仲間達と、居酒屋に頼んで、お取り寄せしたこのたまごを持ち込んで、みんなで食べたっけ。戻らない日々が、四谷串長の鶏鍋のほうほうと立…
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