2010-07-04 問屋街にかかるもの。 ブログ ある日のこと。勤務先がある小伝馬町は、名の知れた問屋街だ。その日は1日、息詰まるような湿気に覆われていた。年経たビルは、古びた色を一層濃くして、うずくまるように夏の雨を受けている。呼吸すら鬱陶しくなり、喘ぐように空を見上げると、くるり。世界が一回りした。あっという間に、楽しげな思いになる。古武士然としたビルと、雑然と中空を這う電線の間を、七色の光る糸が、ちくちくと運針していった。