金銀もくせい。

金木犀の盛りが過ぎてきた。

そうすれば、銀木犀が後を継ぐ

花が散る頃には、
秋の空気が、とろり、と、練り絹のような色と感触に深まっていくのが分かる。

金木犀は、秋の扉か。

花が開くと扉が開き、

花が散ると金木犀は気に溶け込む

錦秋の下塗りを施していくのか。


私は、秋を愛する。


静かに散る紅の葉や、
金糸銀糸に針を運ばれたかのような山の端が好きだ。


惜しげもなく泰然と散る落葉の下で、どうせなら眠りたいと思う。


秋に会いに行きたい。