眠りにつく、ちょっと前。
28歳。
番茶もちょうどお飲み頃の歳であろうが、八王子そごうは、この歳で、明日、閉店となります。
この店にも、いろんな場面があったことでしょう。
駄々をこねる子供さん。
デパ地下に急ぎ駆け降りる仕事帰りのOL。
おつかいものを誂えるご婦人。
接待用のとらやの羊羹をダンベルのごとく手に提げる新人サラリーマン。
値札も見ずに目くばせ一つでお買い上げになる裕福な奥様。
買うか買わぬか何日も通いつめて悩み、ある日その品が売れてしまったのに何故かほっとする若い人。
その場面を、常に見守ってきた店員の姿という場面ももろともに、
一つの「場」が、眠りにつきます。
おやすみなさい。