降るよ、降るよ。
雨の日の、満員電車の中にいると、ふわあっと眠くなる。
もとい。そんな愛らしいモンではない。
泥のように眠くなる。
現実逃避か、人肌の温湿度が懐かしいのか、
とにかく眠くなる。
しかし、乗客はどんどん傍若無人になり、
突き飛ばし、もぞもぞし、舌打ちし、新聞を八つ折にして何とか読んでやろうとするので、
眠くなっていては下手すると車両の外にはじき出される。
とはいえ、強引に車両の中で自己主張するにも眠いので降りる客に流されるままにしていると、乗客の乗り込む返す波にのり、元の位置に復帰している、はは、愉快だね。
そんな中に、小さな子どもさんがいると、そこのあたりに、思いやりゾーンが出現する。
そこから、さざ波のように広がる、満員電車には希有な人の優しい口元のほころびに、
子どもさん、ありがとう。
と感謝してみたりする、雨の朝でした。