「長いお別れ」と、清水と、春樹。本日、お目見え。
長いお別れ。
チャンドラーと言えば、清水の訳。
作家と翻訳者との間に蜜月とも言うべき絆がある時代だった。
ディック・フランシスならば菊池。
ドラえもんなら大山のぶ代みたいなものだ。
そこに、いきなり村上春樹が乱入してきたからたまらない。
完全な訳を追求するといって、清水訳から経つことン十年。
「ロング・グッドバイ」とのタイトルで出版されたのが春樹訳。
私はこの事態に、相当げんなりしていた。
だからこそarapiさんの日記にかぶりついたのだが、
なんとarapiさんのくださったメールには、正にその事が。
清水訳と村上訳を徹底的に検証した方がいると。
70を迎えた新人だと。
その本の出版を企画している、と!
(しかも、どうやら著者は清水派である。)
私がヨロコビに躍り上がったことは言うまでもない。
この時、企画は困難の入り口にあり、それを聞いた私はずっと応援したいと約束したのだった。
それからしばらくの時が経った。
全く別の集まりで、arapiさんに会えることが分かった。
あの企画のことを伺えるかも。
そう、念じて会場に向かった。