渋谷の空と、トスカーナの風の中で昼ごはん。
よく晴れた5月、渋谷の昼。
イタリア、トスカーナの料理。
上機嫌でもてなしてくれる、髭男爵似のサービスの方。
世界遺産の満ちる街シエナで腕を磨いてきた、バンビの瞳のベビースキン、若くハンサムなシェフ。
もとから仲良しの三人に、あとから私がわたしがチン入したことをきっかけに、いえ口実に、女子4人でランチをいただきました。
アンティパスト・ミストで数々の小技を示しつつ、客の笑顔を見越して、凝りに凝る。
5月が旬、グリーンピーススープは粒々を残してリズミカルに。
全粒粉の生パスタは、ボソッととした楽しい食感でソースとよくなじむ。イカの火加減も上々、隠し味のゴマが、主張しすぎていないのが嬉しい。ゴマはかなり支配的だから。
ロゼのスプマンテをちびり。
おしゃべりと笑いは、とどまるところをしらず。泡が次から次へと立ち上るように。
スペシャリテは、野菜とパンの煮込み。
残り物のお惣菜料理が、転じて洒落た一皿。おからが、料亭で、きらずになるがごとし。
メインのチキン、ロール仕立てのファルシにまたしてもシェフの工夫と遊び心。アスパラガス?少し脂肪とあわせてあるかな。
つけあわせにインカも目覚めた。
そして。
シンプルなトマトソースのパスタ。
ふふ。
好きなだけ。
ええ、好きなだけ。
聞こえました?
食べたいだけ、グラム数を自己申告。
なめらかなつやつやのパスタは、つるりつるりとフォークの間をすり抜ける。
おおっと、こいつ生きてやがる。
最後のデザートは冷たい白いアイスにルッコラのジュレとソース。
さながら、おぼろ豆腐のすり流し。
しゃべらないで、マーンジ!プロスト!
笑いとお祝いとおしゃべりのラッパは鳴り止まず、
気がつくと4時半。
結婚式や新婚旅行の写真、新しい仕事場、就職先など、出発の話題には事欠かなかった。
人生はお腹から。
おいしく食べて、
腹から笑って。
でも、腹芸は打ち捨てて。
みんな、ありがとう。
1日、嬉しかった。