遠景、近景。

荒川の土手が霜に覆われています。

すすきの穂が朝日をうけては、

白い野原に金の光を撒き散らしております。


かなたには富士山が中空に消え入りそうな姿をみせており、


こなたにはちりちりに霜で焼けた白菜の葉が、畑にへばりついています。

電車のシートには、ふかふかと着膨れたサラリーマンが、口をへの字にして6人、座っています。


おい。


7人掛けだっつーの。


左端のロックイーターはしょうがないとしよう。

その横と右から2番目。

○○の蝶番、寒さでしまらなくなったとは言わせねえ。


…と、右足がうずうずするのを抑えつつ、窓から景色を眺めては、祈り、蹴りたい心鎮める朝でございます。

目先にとらわれちゃいかんのです。


神様を思い、シートの10cmの隙間には目をとめません。


止めないってば。