赤い靴。
赤い靴は、なかなか履きこなすのが難しいと思います。
歌の題名になるほどに、可愛らしさ、艶っぽさの象徴とされている一方で、しっくりとコーディネートするのは至難の技ではないでしょうか。
赤い靴を履いた方を見る度、とってつけたように、そこだけが悪目立ちする違和感を覚えることが多いので、
自然と私は赤い靴は店頭で眺めるだけになりました。
足元の体積や存在感と、女らしさは反比例する、という手前味噌方程式を確認する日々。
ですが今朝、見事な赤い靴のお洒落を二人も拝見しました。
一人は、白いタイツ、黒の白襟ワンピースにもこもこのコートを着た、頬っぺた真っ赤っかの子供さん。エナメル、ワンストラップの、ころんとした靴。
もう一人はホームスパンのコートにくるまれるようにおさまった白髪のご婦人の、マフラーと合わせた赤いタータンチェックのスニーカー。
愉しげで今にも喋り出しそうな足元です。
もしかしたら、赤い靴には、女の作意は邪魔なのかもしれません。
too muchになりやすい。
年いかぬイノセンスと、
年経りし練達のみが、その着こなしを許す鍵なのかもしれませんね。