世界の仕上げ。
昨日の朝は、この秋初めての富士山が、埼玉の駅ホームから見えました。
秋が来ましたね。
空気が澄んできました。木犀が、ようよう、金に銀にとほころんでいます。
さて。
今、様々に、「評価」をされ、受ける時期ではないでしょうか?
人事評価、査定、
進学、進路。
評価の高い人equal生産性の高い人。
だから、皆、息せき切って走り続けています。
ぜえぜえ。
ただ、先日、艶やかな手彫りの柘植の櫛を手にして、思いました。
世界をかたち作るのは、大きな業績を上げる力かもしれない。
けれど、世界を美しく仕上げるのは、つましい、日々地道に生きる人の暮らしや技によるのではないでしょうか。
そう、祈りのような、祈りそのもののようなひそやかなものが、世界を磨いていくのではないでしょうか。
木から荒彫りされた櫛を、
職人の手が一歯一歯やすりをかけ、撫で、油で磨く。
そうやって、この端正な工芸品は、人々の髪を美しく整えるための完璧な一品となるのではないでしょうか。
日々、それぞれに思いを尽くして暮らしています。
その暮らしこそが、世界を美しくする、本当の力だ、と。
だから、
「丁寧に生き、暮らす」、それ自体で、実は充分なんだよ。
と、
今、何だか、イヤになっちゃった方にお伝えしたい。
私は、そう信じてます。