呪いの長靴



ようやく、長靴を買ったのは先週のこと。
洒落系長靴、レインブーツというのがふさわしかろうか。
そのような物を買ったのは初めてだったので、
ベージュに黒のパイピング、靴の背部のリボンなどに、
雨の今日はいそいそと心躍らせ家を出た。

…と。

毎日は驚きと不可思議に満ちている。
このレインブーツには呪いが施されていた。

歩いていると、
やにわに私の右足を左足に激突させ、
幾度も私を転倒させようとした。

何という恐ろしい呪いであろうか。

まさに完全犯罪、私がすっ転び死傷したとしても、
私の過失にしかならぬとは。

恐るべし。


長靴の時だけだもん。

本当だもん。