【歳時記:バレンタイン】
【歳時記:バレンタインは春の季語】
そのまんまやな。
「あと幾度これで終まひとバレンタイン」
…
いつまでか。
それは、後になってわかることがある。
あ。
でも。
も一回、買いにいこかな。
…
いくつかの知らせ。
当たり前にできていたことは、当たり前のことではなかったのだと、ゆっくりと腹に落ちてくる。
「これで最後」と意識できることは、実は稀なことで、後になって振り返った時に、あれが最後だったのだと知ることの、なんて多いことか。
そっと目を閉じてみる。
そうして浮かぶ景色が、優しければ優しいほど、
握り締める手の力が、ぎゅっと少し強くなる。
その握りしめた手で取り戻し、引き戻せるものなど、さして無いのだと、知る。
たわいのない日々を、ただ、たわいなくどれほど慈しんでいけるか。
ただ、それだけのことが、途方もなく大切なことなのだ、と。